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ソリューション
2019/06/01

紛失防止 位置情報をGPSで追跡するシステム

活用事例

(この記事の所要時間は約5分です)

メーカーからレンタル提供される機器(装置)など、行方不明になることが多いとよく話を聞きます。そこで今回はこれらの行方不明装置を追跡するために弊社でシステム提案した一例を紹介します。

*本提案は現在のところまだ実現はしておりません。しかしながら、このようなシステム開発を検討されている場合があれば、お気軽にお問合せください。ADTは、お客様の仕様に併せた柔軟な提案を行います。

依頼事項

ビールメーカより提携先飲食店へ「貸出」提供しているビールサーバーが、頻繁に行方不明になる。
この要因として、数千台は店舗倒産や不正移動によって行方不明となるケースが多い。
行方不明防止対策として、効率よく追跡し管理することはできないか。

お客様からの条件

「設備の不正移動検知と通知機能」を持たせ、所在地を特定すること

「検知ユニット」要求条件

1. 不正移動を検知する
2. バッテリー駆動

3. 電池5年無交換
4. 交換またはサービスマンでも対応できる簡単な作業方法にする
5. 親機、中継局などをもたず、独立単体の通知機能がある
6. 防水構造になっていること


検討項目

・位置情報の認識時の消費電力を抑えるため、無給電で長期間(約5年)の継続維持すること
・使用環境に左右されることのない耐久性
・地下店舗など屋内/屋外に限らず位置情報が取得できること

お客様の要件を実現するためには、上記の課題をクリアにすることが必要となります。
そこで、当社ADTでは次のような提案を行いました。

ADTからの提案 

・ビールサーバーへバッテリー式の無線式追跡装置を取り付け、装置が単体で駆動できるようにする
・その装置にはGPSとキャリア通信を内蔵させる。管理側へ追跡したいビールサーバーの所在を送信


構成

1. 本構成はGPS通信とキャリアの通信(LTE)を使用。GPS装置にて追跡物(またはビールサーバー)の位置情報を取得。キャリア通信を使用してインターネット網を通じ位置情報を管理者へ送信する。

2. 装置の消費電力を最大限に抑え、長期運用を可能にする。
→低消費電力のCPUを内蔵させた運用管理
→通信時以外は各装置の電源供給をOFFにする。CPUのみスタンバイ状態にする。

3. 装置には移動検出センサーを装備。移動された場合は、システムを起動し状況確認

4.移動がない場合でも、装置機能が正常動作してるか、装置データーを管理者へ定期的送信

5.移動なき条件でも5年間のメンテナンスフリー (バッテリー交換作業なし)を実現

・機器の形状
外形:60mm×70mm×40mm
防水仕様:IPX5
電池:リチウムイオン一次電池
固定方法:ネオジウム磁石
外部制御:磁気センサー(防水構造のため、スイッチ類を持たない)


(C)2019 ADT Co.,LTD 


・回路ブロック図

(C)2019 ADT Co.,LTD 

CPU:小型低消費電力プロセッサを使用
GPS:UBLOX製高性能GPSを使用
LTE:広範囲での通信をカバーするため使用
MR Sensor:外部にスイッチを持たないため、磁気センサでON/OFF制御を行う
G Sensor:加速度センサを用いて機器の移動を検知する

運用時の動作

・移動がない場合
貸出中のビールサーバーは、移動がない場合でも装置の機能が正常に動作してるか(いわゆる生死確認)の為に月1回起動し、自身のデーターを管理者へ送信する。※月1回の位置情報がない場合は、サービスマンが出向き状況を確認する。(システムの異常か、移動されたかなど)

・移動検知時
移動された場合、以下の手順で動作。

①装置内蔵の加速度センサーが所定時間以上の動きを検知した際に、GPS/LTEの電源をON。位置の補足とてLTE通信を開始する。
②LTE通信確立後、装置のGPS補足情報を1分間隔で管理者へ通信。GPS補足情報がない場合は補足不可情報を送信
③一定期間LTE通信を行った後、通信を終了し、装置をスタンバイ状態(SLEEP)へ移行する。


移動検知時の動作

※設置店舗が地下等のGPS信号が受信できない場合は、移動検出情報(加速度センサーの情報)を加味し判断。

※移動検知された場合は、バッテリー交換対象とする。

 

総括

当社ADTではこのような提案をはじめとし、長年にわたり製品の具現化(試作)→評価→量産の製造までを行った実績が多数あります。
本ページにて最初にお話ししました通り、本提案は現在のところ製品としては実現されておりませんが、
次工程で検討・実施すべき項目として、

・具現化するシステム全体の運用評価
・製品稼働可能時間の評価(バッテリー稼働時間の評価と改善)
・製品製造コストの算定
・運用費(イニシャルコスト)の算定

上記があると認識しているとともに、しっかりとこれらの項目へ対応する体制をもっております。
類似システム開発を検討されている、または新規製品企画をお持ちの方は、まずは当社ADTへ相談ください。
多方面からのご提案をさせていただきます。

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